4月15日から、技術・人文知識・国際業務(いわゆる「技人国」)ビザの審査が大きく変わります。カテゴリー3・4の企業が外国人材を受け入れる場合、「言語能力を用いて対人業務に従事する」ときはCEFR B2相当、つまり日本語ならJLPT N2以上の証明が必要になるという内容です。

ビザ書類を確認する外国人材と日本企業担当者のイラスト

正直に言うと、この話を最初に聞いたときは「まあ、そうだろうな」と思いました。ただ、入管庁のサイトで正式な内容を確認してみると、想定していたよりも対象範囲が広い。そしてその線引きが、まだかなり曖昧なんです。

「言語能力を用いて対人業務に従事する場合」。この一文が、今回の肝です。通訳や法人営業のように、明らかに言葉を使って人と接する仕事であればわかりやすい。でも、施工管理はどうでしょう。建設現場で日本人作業員に安全指示を出す。図面の内容を口頭で確認する。これも「対人業務」に含まれるのか。私がお付き合いしている行政書士の先生も、「建設現場で日本語を使って指示出しをするなら、かなり厳しい」という見解でした。

先日、ある建設会社の社長から相談を受けました。インドネシアの理工系大学を卒業した優秀な人材を施工管理として採用したいが、日本語はまだN3レベル。以前なら現場で鍛えながら伸ばしていけばいいという考え方が通用しましたが、今後はエントリー段階でN2が必要になるかもしれない。社長の表情には、戸惑いがはっきりと見えました。

もう一つ気になるのが、企業規模によるカテゴリー分けです。上場企業などカテゴリー1・2の大企業は、この証明書提出が実質免除されます。「大企業の採用を通ったなら能力は十分だろう」という考え方は理解できなくもありませんが、中小企業こそ外国人材に支えられている現場が多い。同じ業務なのに会社の規模で扱いが変わるというのは、現場感覚としては納得しにくいものがあります。

ただ、私はこの厳格化を悲観だけしているわけではありません。むしろ「本気で人材を育てる会社が報われる時代になる」と捉えています。来日前からしっかり日本語教育に投資し、業務に必要な言語力を身につけた状態で送り出す。それができる紹介会社と受入企業が、選ばれていく。うちも送り出し機関と連携して、N2を見据えた教育プログラムの強化に動き出しています。

制度が変わるたびに思うのは、結局のところ「人を大切にする」という当たり前のことに尽きるということです。書類の要件が増えようと、ガイドラインが曖昧であろうと、目の前の人材と向き合い、一人ひとりの成長を支える。その姿勢だけは、どんな制度改正にも揺るがないものでありたいと思っています。