先日、東北圏で働く特定技能1号の外国人材を対象にした調査結果が報じられていました。「今の地域に定着したい」と答えた人は、わずか4割。残りの6割は、都市部への転職や帰国を考えているという内容です。

地方の建設現場で日本人同僚と働く外国人材のイラスト

同じ時期に、もう一つ気になるニュースがありました。建設業者の4割が「人手不足」を理由に受注を断念しているという調査結果です。仕事はあるのに、人がいないから受けられない。地方の建設会社にとっては、まさに死活問題です。

この二つの数字を並べてみると、構造的な問題が浮かび上がります。地方は人手不足が深刻で、外国人材を必要としている。でも、来てくれた人材の多くは、その地域に長く留まりたいとは思っていない。このギャップをどう埋めるのか。

先月、東北のある介護施設を訪問したときのことです。インドネシアから来た特定技能の女性スタッフが、利用者のおばあちゃんと方言交じりで談笑していました。施設長に聞くと、「最初は言葉の壁もあったけど、地域の人たちが本当によくしてくれて。今では町内会の行事にも参加しているんですよ」と嬉しそうに話してくれました。彼女は、定着を希望している4割の一人です。

一方で、別の現場では全く違う話も聞きます。「日本語の練習相手がいない」「休日に出かける場所がない」「同郷の仲間が近くにいない」。こうした孤立感が、都市部への転職希望につながっている。給与や待遇だけの問題ではないんです。

私たちのような人材紹介会社の仕事は、マッチングして終わりではありません。紹介した人材が、その土地で安心して暮らし、働き続けられる環境を一緒に作っていく。受入企業と連携して、日本語学習の機会を設けたり、生活面のサポート体制を整えたり。地道なことですが、定着率の差はこういうところに出てきます。

「人が来ない」と嘆く前に、「来てくれた人が残りたいと思える場所」を作ること。それが結果的に、次の人材を呼び込む力にもなる。4割という数字を、5割、6割に変えていくために、私たちにできることはまだたくさんあると感じています。